数あるサンセベリアの中から、海外植物バイヤー竹岡篤史が特におすすめしたい5品種を選びました。希少性だけでなく、実際に海外で見た時の印象や、育てていく楽しさも含めて選んでいます。
前回のPLANT JOURNAL No.1ではレアサンセベリア20選をご紹介しました。今回はその中から竹岡が特に思い入れのある5品種について、現地でのエピソードとともに詳しくお話しします。
竹岡篤史が選ぶ、おすすめサンセベリア5選
Pick 01
サンセベリア ロリダ 斑入
Sansevieria rorida variegata
海外植物バイヤー 竹岡篤史 セレクト
"King Of Sansevieria"とも呼ばれるロリダは、やはり外せない存在です。最大の魅力は、他のサンセベリアとは一線を画すフォルム。竹岡が初めてタイのコレクターのもとでロリダを見た時、その草姿の完成度に強い衝撃を受けたといいます。
斑入りのロリダを初めて見た時の衝撃は、今でも鮮明に覚えています。
海外植物バイヤー 竹岡篤史
葉全体に斑が入る個体、半分だけ斑が入るハーフムーンなど、斑の入り方にも個性があります。美しい個体は年々入手が難しくなっており、まさに特別なサンセベリアです。
Pick 02
サンセベリア シルバー スパイラル
Sansevieria Silver Spiral
海外植物バイヤー 竹岡篤史 セレクト
シルバー スパイラルは、Unyamanee Gardenの名作「ダンシング ドラゴン」の後継品種です。ダンシング ドラゴンが横に広がるように成長するのに対し、シルバー スパイラルは上へ昇るように展開していきます。
竹岡にとって、ダンシング ドラゴンはそれまでのサンセベリアの印象を変えた品種でした。その後継が完成したと連絡を受け、実際にタイで見たシルバー スパイラルの姿に強く魅了されたといいます。Unyamanee Gardenの情熱が形になった、現在も入手困難なおすすめ品種です。
Pick 03
サンセベリア サイクロン
Sansevieria Cyclone
海外植物バイヤー 竹岡篤史 セレクト
サイクロンを初めて見たのは、Unyamanee Gardenのナーセリーにある特別エリア。オーナー選抜個体が管理されている場所で、株全体がウェーブしながら上へ昇っていく独特の姿に、竹岡は思わず吸い込まれるように見入ったといいます。
小さい時から存在感があり、成長後のフォルムは唯一無二です。
海外植物バイヤー 竹岡篤史
成長は非常に遅いものの、そのぶん一株ごとの変化をじっくり楽しめる品種です。現在SHOUCHIKU-ENでも大切に育成している、竹岡おすすめのレアサンセベリアです。
Pick 04
サンセベリア スタリーナイト
Sansevieria Starry Night
海外植物バイヤー 竹岡篤史 セレクト
スタリーナイトの魅力は、繊細なフォルムと淡いグリーンの美しさです。360度に広がるウェーブした葉は、他のサンセベリアではあまり見られない雰囲気を持っています。
作出したのは、タイの植物コンテストで何度もチャンピオンになっている育種家。成長後もコンパクトにまとまりやすく、コレクションしやすい点も魅力です。子株があまり出ないため、現在も入手が難しい品種です。
Pick 05
サンセベリア ブンルートーチ 斑入
Sansevieria Bunlue Torch Variegata
海外植物バイヤー 竹岡篤史 セレクト
ブンルートーチは、タイの植物界で知られる育種家Bunlue氏の代表品種です。竹岡もBunlue氏のナーセリーを訪れ、誕生初期のブンルートーチを見せてもらったことがあるといいます。
この品種の魅力は、斑入りでありながら強健で育てやすいこと。そしてブンルートーチ特有のフォルムが崩れにくく、美しい姿を長く楽しめることです。これからサンセベリアを始める方にもおすすめしやすい、希少性と育てやすさを兼ね備えた品種です。
海外で注目されるサンセベリアの傾向
近年の海外市場では、やはりハイブリッド品種に注目が集まっています。タイを中心に、さまざまな育種家が新しいサンセベリアを作出しており、ドワーフタイプ、タワータイプ、ウェーブの強い個体など、これまでにない草姿を持つ品種が生まれています。
一方で、竹岡は「ハイブリッド品種の多くが、すでに存在する品種に似ていることも少なくない」とも語ります。だからこそ、強烈なインパクトを持つ品種や、完成度の高いフォルムを持つ品種は、より特別な存在として評価されていきます。
日本でも近年、ハイブリッドに挑戦する方が増えてきました。今後は、MADE IN JAPANの個性的なサンセベリアが生まれてくることにも期待が高まります。
タイ・Unyamanee Gardenにて。左:海外植物バイヤー 竹岡篤史、中央・右:Unyamanee Gardenの皆さん
タイ:サンセベリア育種の中心地
現時点で、タイはサンセベリアの先進国と言える存在です。Unyamanee Gardenをはじめ、世界的に知られる育種家たちが多く、独創的なハイブリッド品種が次々に生まれています。
タイで作られた品種がインドネシアへ渡り、さらに別の品種と交配されていく流れもあり、東南アジア全体でサンセベリアの育種文化が広がっています。
台湾:原種と原種斑入りの人気
台湾では、原種や原種の斑入りがメインとして評価されている印象があります。植物ショーでも、クラシックな美しさを持つ原種系や、完成度の高い斑入り個体に注目が集まっています。
ハイブリッドの進化が進む一方で、長く愛されてきた原種の価値も改めて見直されています。
インドネシア:独創的なフォルムとの出会い
竹岡がインドネシアで特に印象に残っているのが、「タワー」と「シルバーフレーム」です。タワーを初めて見た当時、タイにも同じようなフォルムのサンセベリアはなかったといいます。
また、ジャカルタのプランツショーで出会ったシルバーフレームは、その模様が非常に新鮮で衝撃的だった品種。タイとはまた違った感性で生まれるサンセベリアも、海外植物シーンの魅力のひとつです。
サンセベリアの世界は、まだまだ進化している
サンセベリアは、丈夫で育てやすい観葉植物というだけでは語りきれない奥深さを持っています。原種の持つ力強さ、斑入り個体の希少性、育種家が生み出すハイブリッドの造形美。そのどれもが、サンセベリアという植物の魅力を広げています。
SHOUCHIKU-ENでは、これからも国内外の生産者や育種家とのつながりを大切にしながら、ただ珍しいだけではない、背景まで魅力のある植物をご紹介していきます。